本書は、戦記マンガ家としての、水木氏の傑作である。
おなじみの軽妙なタッチと色濃く細密な背景画、写真によるモノクロームとの重低奏。
戦時下という非日常にあてって、日常的な淡々と進むうちに、「敵さん」は突然、しかし確実にやってきたのである。
初年兵は、常にビンダを食らうのである。
「畳と初年兵」は叩かれれば叩かれるほど良い。
現代に生きる者、死と隣り合わせの生活。
「私、戦後20年ぐらいは他人に同情しなかったんですよ。戦争で死んだ人間が一番かわいそうだと思っていましたからね、ワハハ」
もっともらしい価値観をあざ笑い、平和ボケした現代人の思考を脳天から打ち砕く。
『ゲゲゲの女房』との併読をお勧めします。
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