東京・上野に籠っていた彰義隊を、1日で殲滅した作戦を立てた人としても有名。
靖国神社には銅像が建てられています。
司馬さんの短編を再読し、改めてその余韻に浸りながら書き綴っています。
不思議な人物です。
益次郎は軍人ではありません。
医者であり、蘭学者です。
学者の頭脳が、徳川幕府にとどめを刺しました。
面白いのは、銃器の訓練を兵士に教えるのに、実地を重視した「速成主義」を採る合理性をもち。
窮理や原理を理解すること深く、それが実践に結びついているのに、本人は馬にも乗れず、無刀で浴衣のまま徒歩で戦場へ赴いていく、といった描写。
また、対人関係のコミニケーションも非常に不器用だったそうです。
どこかスマートではありません。
司馬遼太郎は、そんな人物を、愛情を持って魅力的に描いています。
益次郎への司馬史観は、小説最後の3行に集約されています。
「益次郎は歴史がかれを必要としたとき忽然としてあらわれ、
その使命が終わると、大急ぎで去った。
神秘的でさえある。」
そんな事言われる仕事がしてみたいものです。
益次郎を主人公にした長編小説、『花神』も面白いですね。
時々、仕事とはまっったく関係のない本や人物について書いてしまいますが、どうしようもない「歴史好き」ということで、ご容赦ください☆